BOMB(1997.10カンノが変わるのも自由なら、ファンが変わるのも自由なのだ

コトの始まりは、8月21日の報知新聞だった。"菅野美穂ヘアヌード写真集明日出版"の記事が芸能面を飾ったのだった。記事内容は信憑性がありそう

だが、かつて、"菅野・大槻ケンジ熱愛"の誤報を載せた報知だ。いずれにしても、数時間後に開かれるバースデーパーティーの席でハッキリするはず

だ。バースデー会場の受付では、チラシが配られた。

『菅野美穂TOTAL NUDIT写真集『NUDITY』8月22日発売!

NUDITY(ヌーディティー)裸であること

「水着はイヤ」「胸の谷間も見せたくない」そう言い続けてきた少女が20歳を迎えます。

TOTAL NUDITY(トータルヌーディティー)全裸

「写真集は売れない」「ヘアヌードは流行らない」そんな定義が囁かれる今に、『NUDITY』は羽を広げます。この写真集の分類は(トータルヌーディティー)

です。(ヘアヌード)ではありませんのでご注意ください。』

もはや疑問の余地はない。そうだとすれば、なぜそういう写真集を出版することになったのか?関心はそこに尽きる。午後2時、定刻を30分ほど過ぎて菅

野が登場、記者会見が始まった。

  • いいところもだめなところも残しておきたい・・・

    「撮影を始めたのはもう1年以上前です。カメラマンの宮澤さんから『記録として撮りたい』というお話をいただいて、仕事を離れた撮影として撮りました。

    今年の初め、宮澤さんに『ヌードを撮りたい』と言われました。最初は当然、イヤでした。ちょうどその頃、日常の自分を見つめる機会が無くなっていて、

    仕事をしている自分と本当の自分とのギャップに悩んでいました。スチール撮影もインタビューもキライになっていました。宮澤さんにいろんなヌード写真

    集を見せていただきました。それを見て『何も纏っていない状態というのは、その人の、人となりとか思想とかが現れる』ということに気づきました。今の

    自分を見つめてみよう、10代の想いを忘れないよう、いいところもダメなところも残しておきたい・・・。それで、ヌード写真を撮ってもらうことを、決心しまし

    た。最初は家族、特に高校生の弟のこととかを考えると、本当に正しいのか?と悩みました。でも写真集として、家族にも納得してもらえるものにしようと

    思いました。両親に話をしたとき、最初は『止めなさい、そんな事!』と言われましたが、私が言い出したら聞かない性格なのは知っているので(笑)。撮影

    は一週間くらい、私の住んでいるところや宮澤さんの住んでいるところで行いました。秘密厳守で動いていただいた印刷関係のみなさん、ありがとう。両

    親に弟ふたり、迷惑かけてごめんなさい。そして理解してくれてありがとう。宮澤さん、私を変えてくれてありがとう。そして『発売直前でもカンノが嫌だっ

    たら出版は差し止める』と、すべての労を一身に背負ってくれたマネージャーの小倉さん、ありがとう。彼女に恥ずかしくない写真集にしたかったです。ペ

    ージにするにもおこがましいようなフツーの写真ですけど、『コレが私だ』と言える写真集になったと思います。」

    会見終了後、「BOMB読者に一言」と聞いたら、少し考えた後「4千円で10円お釣りがくるから」と、いつものように明るく笑って答えた。

    8月25日、その菅野が泣いて記者会見している。発売から3日、書店のフィーバーぶりと同時に、様々な醜聞も報道された。事務所が『複写・転載には法

    律に訴える』と警告したにも関わらず、菅野の"ヘアヌード"が各週刊誌の紙面を飾った。ある程度は覚悟していたはずの反響、それがそれ以上だった

    ための涙なのか、それとも・・・。「自分を変えたい」とヌード撮影にのぞんだ菅野、では今までのカンノのファンだった人たちはどうすればいいのか。ひと

    つ言えるのは、カンノが変わるのも自由なら、ファンが変わるのも自由なのだ。いっしょに変わるのも、他に変わるのも、変わらないのも・・・。


    "ファンだから何でも受け入れなくちゃいけない"とは思わないし、演技や発言に対して不満があれば包み隠さず言っちゃってもいいとは思うけど、ヌード

    になったことを"ファンに対する裏切りだ"と言わんばかりの発言をする人って"何だかなぁ"って思っちゃいます。ファンって、所詮"片思い"の世界だから

    裏切りだなんて言われても迷惑なだけだろうし(笑)。"出版は本人の意思ではなかったのではないか?"等の発言をする人もいたけど、僕にとってはどう

    でもいいことでしたね。写真集の出来不出来にしか興味なかった(最終頁の写真は嫌いです。)。

    今回の騒動で、売れたタレントさんが、(自称)真のファンにそっぽを向いちゃったり、自分のファンの文句を言ってるタレントさんの気持ちが分かったよ

    うな気がしました。

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