H(1997.11)菅野美穂「NUDITY」以降



97年ガール・オブ・ザ・イヤー菅野美穂、初めてその半生を語る!
芸能界の中で真摯に自分を探し続ける彼女は、なぜ『NUDITY』を発表しなくては
ならなかったのか?Hだから実現した超フランクな1万字インタヴュー、ノーカット全文掲載!


−奇遇なんですけど。私、菅野さんと高校同じなんですよ。

「うそー。そうなんですか?先輩ですね(笑)」

−はい。先輩です(笑)。『NUDITY』を拝見したら、高校の卒業式の写真があって驚きました。

「あの制服、ちょうど私たちの代から新しくなったんですよね。」

−そうですよね。だから菅野さんが、年齢をごまかせるわけないんです(笑)。

『菅野美穂、24歳説』、ああいう根も葉もない噂って予想はしていなかったですよね?

「なかったですねー(笑)」

−『菅野美穂は本当は24歳だ』って、証言している同級生がいましたけど。誰なんでしょう。

「まるでゲームでいう隠れキャラだよね。20歳だもん、私」

−で、今回は菅野さんのライフ・ヒストリーを語っていただこうと。

「お願いします」

−そもそも芸能界に入ったきっかけは何だったんですか?

「よく有りがちな話なんですけど、オーディションに応募したんです。

それはプロダクション主催のものじゃなくて、『企業のイメージガール』みたいなモデルさんを募集していたもので。

『面白そうだな』って思って応募してみたんです。その後、縁がありまして今の事務所に拾っていただいて」

−やっぱり芸能界に興味があった?

「人並み・・・・・って言うのかなあ。Winkの振り付けの真似とかはしてましたけど。でも『なりたい』とかそういうことではなくて。なんか私は別に普通に学校

卒業して普通にOLになって、普通に結婚していくんだろうなって思っていたし。どっちかというと漫画家とかそういう人になりたかったなーって」

−漫画家?

「はい。高河ゆんさんがすごく好きで、模写とかしてました」

−写真集の菅野さんの部屋では『うしおととら』を発見しました(笑)。

「(笑)。そうなんですよ。あれ、面白いよね。でも、今考えると本当に体力も才能とかそういうものも私には無い。漫画家って、監督して、コンテ割って、カ

メラもやって、みたいなことを一人でやるみたいなものじゃないですか。映画を一人で作るみたいな。だからすごく大変だなって思うんですけど、でも、そ

の時はそう思ってました」

−今までなさったお仕事の中で一番強く印象に残っているものって?

「そうですねぇ。パッと言われてパッと浮かばなくなってきちゃったんですよ、最近。なんかね、現場にいることとか、台本をもらうこととか、自分が作品を

作っているってことになんか慣れちゃってるのかなって、ちょっと考えたりして。それは良くないことなのかなって思ったりもするんですが」

−菅野さんって役に入り込んじゃうタイプですか?

「あの、そう思われがちなんですけど、かつてそうだったんですけども。やっぱり『イグアナの娘』の時は、やっぱりちょっと寓話的なところもありますし、無

理矢理押し切らなきゃみたいなところもあったりとかしていて。それまでは、台本に書いてあることは全部本当だって思って読む人だったんですけど、で

も『ドク』からはリアリティーを求めちゃうっていうか、『なんかちょっと違うんじゃないかな』って思って監督に・・・・・」

−自分から言ったり?

「うん、『これはちょっと違うと思うんですけど』って相談したり。でも『失楽園』は、やっぱりドラマ版はすごく人間関係がドロドロしてしまったり、あとは私の

役の言い回しとかがちょっとレトロだったりとかしていて。すごく『どうしたらいいんだろう?』って思い悩んでいたところもあったんですけども、でも『あのド

ラマはあのドラマで、ドラマの役割を全うしているよ』っていうふうに人に言われて『観て楽しめるから基本的にドラマはそれでいいんじゃない』って。やっ

ぱりドラマの人は意図してノンフィクションに近づけよう、近づけようってしてると思うんですよ。だから私はいつもフレキシブルにしていて、監督のやり方

に飛び込めるようでありたいなって」

−でも菅野さんのそういう考え方って割と芸能界に入ってすぐに固まったような印象を受けますが。一方でその今までに演じてきた役柄とのギャップに悩

んだっていう話もあって。

「そうですね、『イグアナの娘』の時の役はお母さんからすごく嫌われていて、自分をイグアナだと思っている、すごくコンプレックスの強い女の子で。スッ

と引いて冷めて考えると、すごく変なことを探っているなっていうか、『お母さんは、自分の娘を愛したいんだけどイグアナだから愛せない』とか、また娘も

本当に切実に悩んで葛藤しているという。そういう一生懸命にすごく考えて演じている姿が、演じている時はそういうふうに考えないんですけど、なんか

監督と他の役者さんがミーティングとかなさっている時に『あ、これってもしかして、はたから見てるとコメディーかもしれない』とか思ったりして。ドラマ作り

っていうのは、物の摂理にすごく反しているから、すごく産みの苦しみが大きいんだなと思ったりもします。だからすごくね、自然にやるにはどうしたらい

いかなっていう時には話しをしてたんですけど。そう『自然にするように、自然にするように』っていう行為ほど不自然なものじゃないのかなとも思ったりも

しながらやっていたんですけども」

−じゃあ、その辺からいろいろと・・・・・。

「えぇ、辛いなとか、嫌いになっちゃったら絶対続けていけないだろうなって思って。もうこれが生活の軸になってすごく熱中して、時間も愛情も注いでやっ

てきた作業に『いつか嫌いになっちゃったら何が残るんだろう?』って、たまにフッと『あ、どうしよう』とかおもうこともあるんですけど。UAさんが前、どこ

かのインタビューで、あきちゃったらどうしようみたいな、似たような感じのことをおっしゃっていて、『あー、それは分かるかもしれない』と思いました」

−じゃあ、それが今回の写真集出版につながった?

「うーん、写真集は・・・・・なんて言うんでしょうね・・・・・。やっぱり私はなんていうか、青年誌というかアイドル誌みたいな雑誌にお世話になることが多か

ったりとかして、いわゆるイメージ先行型っていうか、なんか大人しそうでっていう。でもやっぱり私は、多分すごく不器用で、消化できなかったんですよ。

だから皆さん、他のタレントさんとか芸能界にいる方は、そいうスタッフの要求と自分との差、ギャップをどう埋めるか、どう仕事で埋めていくかっていうの

ですごく悩んでいると思うんですけど。で、本当はやりたくないけど、ここでオチをつけるみたいにズッコケてみせるとか、そういうことが嫌だと思っちゃっ

たんですよ。でも、嫌ですと言えなかった。だから仕事は好きだけど、このまま続けるのは嫌だって。こういうふうにモヤモヤした気持ちのまま、ハッキリ

しないまま。だからすごく乱暴な言い方ですけども、ヌード写真集出さないでマイペースでやれるんだったら、それが一番いいんだと思えるんですけど。

私は周りのそういう大人の人達の『こういう狙いの広告にしたい』とか、そういうのも分かるし。分かるから、嫌だと言っちゃいけないんだと思ってたし。だ

から宮澤さんがすごくタイミング良く私を撮りたいっておっしゃって下さって。今までそういうふうにおっしゃって下さるカメラマンさんがいらっしゃらなかった

ので・・・・・」

−で、宮澤さんにお願いしたと。あの卒業式の写真は菅野さんが入れたいっておっしゃったんですか?

「そうですね、たまたまあったんで。高校卒業・・・・・あれが一番最初に宮澤さんが、プライベートで撮って下さった写真なんですよ。だから、気がつくとそ

こから始まっていたんだね、みたいな。ちゃんと話し合って始まったのはもっと後とかだったんですけど」

−メモリアル・ブック的な作品だっておっしゃってましたよね。

「そうですね」

−結構いろんな写真があって。リアルサウンドのTシャツを着てるゲームセンターでの写真もありましたよね。

「あれは偶然、あのTシャツを着てて、でゲームセンターに行ったっていうか。あ、ゲームセンターでリアルサウンドっていうのは全然、偶然です」

菅野さんのマネージャー「そういう作為的なものは全然無かったよね。『遊びに行こう』『じゃあ』っていう。たまたまあれが出ただけだもの。5万カット以上

ある中から、たまたま選んだだけ」

−(笑)で、そういうゲーム作品への出演もありつつ、写真集もあって。そして、この間新しい映画『ご存知!ふんどし頭巾』を拝見したんですけど、あれ

は、菅野さんはちょっとしか出てらっしゃらないんですよね。

「そうなんですよ」

−内藤剛志さんの娘役、ワサビちゃん。

「はい」

−あれはどうでした?

「うーん・・・・・撮影していたのが、ちゃんとしなきゃと思いつつ、心とか向かわなくなった最初の時期だったんですよ」

−写真集が出るちょっと前ですね。

「そうですね。で、いろんなことが自分の中でダメになっていって。お仕事に対しても前向きじゃなくなったりとか、友達に対してもなんか曖昧になっていた

りとか、家族にも全然電話しなかったりとか。でも撮影中は、父親役の内藤さんとか、いろいろとお話して下さって。内藤さんすごいんですよ!もう現場に

すごく長い間いるから。11クールくらい連ドラ入ってるみたいで。なんか『やっぱり30過ぎてからが勝負なのかな、役者さんって』って思いました。素敵だ

なって思ったし。撮影中、いろいろ仕事のお話とか内藤さんとして、『そっかー、やっぱりみんな感じてることは似てるんだなー』って思ったりとか。映画っ

て、スタッフの方たちも昔からの職人気質な方が多くて。でも今回、監督は、すごくマイペースな、いわゆる監督らしからぬ方だったんですよ。やっぱり現

場って個性的な人が沢山いて、面白いなって思いました。なんか、今すごく楽しいし、お仕事にも恵まれているなあって思うんですけど。なんかネタ切れ

っぽくなってきているところがあって。『あぶないな』とか思いつつやっているから」

−自分がやっている役がパターン化してきたっていうことですか?

「なんて言うか・・・・・なんて言うか、さっきも言った、心も体も、きちんと仕事に向かってないのかもしれないんですけど。それでもちゃんと台本もらったら

読むし、考えたりするんですけど。『こうしようかな』ってアイデアとか探ったりもするんですけど。昔ほど無邪気にできなくなっちゃったなーっていう。恐い

もの知らずさがなくなってきたっていうか・・・・・なんて言うんでしょう、細胞分裂が活発な感じがしなくなってきたなっていうか」

−仕事をやりすぎた感じが?

「やっぱりそうは言っても、経験がものをいうところっていうのは絶対あると思うし。なんかそれはベテランの役者さんとかと一緒にお芝居させていただく

とひしひしと感じるし。お芝居って、やったらやっただけ上手くなるってわけじゃないし、なんかずーっとやっていて、いきなりポンと上手くなったりとか。や

っぱり時期っていうか、『継続は力なり』だなって思ったりすることもあるんで。その『ネタ切れ感』をどう解消するかっていうのが最近のテーマなんですけ

ど。でも、そうは言っても、自分でそう思ってるだけかもしれないし、周りの人から見たらあまり変わっていないと思うかもしれないし」

−じゃあ今、仕事については模索しているっていう状態なんですね。そういえば、菅野さんの理想はムーミン・ママだって話を聞いたんですけど。

「ああいうお母さんになれたらいいなとは思ってたんですけど。よその子も自分の子も同じに大事にできる人になれたらいいなって。でも、そうですね、今

はちょっと変わってきちゃって、ちゃんと女優になりたいなとも思うし。今は役のことについてもそれなりに考えていたけど、それ以上に自分に興味が向

いちゃってるなっていうのもあるし」

−与えられた役だけじゃなくて、自分からもオファーしていきたいっていう感じですか。具体的にはどういう役をやってみたい?

「障害を持った女の子をやりたいなと思っていたんですよ。でもやっぱり、画面を通して投げかけることができる、メッセージというか、何か伝えることが

できる仕事、幸いそういう仕事だと思うので、なんか気付いてもらえるきっかけ作りみたいなものができたらいいなって思って。ただ、そういう障害持った

人達に対して絵空事になってしまったりしたら失礼だし、失敗だと思うし。お芝居に対しても自分に自信を持っていなければいけないと思っていたんです

けど、11月にそのドラマを撮るんで」

−それはどういう役?

「耳が聞こえない女の子なんです。今、手話を勉強したり、本読んだりとかしてるんですけど。でもやっぱり想像はできても実感は出来ないから・・・・・」

−やっぱり菅野さんって真摯な方ですね。

「そうかな」

−そんな気がします。深く考えますよね、何に対しても。菅野さんがそこまで自分自身でちゃんと考えてから、どうこうしようっていうのは、今まで育ってき

た環境とかと関係あるんですかね?

「わりと親は放任主義だったので」

−そうなんだ。

「うん。今でもなんか、すごく止められたり、反対されたり、写真集のことでも『そんなことするんじゃありません』って言われたりしたんですけど・・・・・。でも

基本的には放任でした」

−ご両親からはそういうことを言われたんだ。

「はい、でも私の中では決まってたし、もうそれは報告っていう感じで相談じゃなかったんですけど。反対はされたんですけど、見てもらったら納得しても

らえるという自信があったので。でも親は親で、血が繋がっているし、親だから、弟達もそうですけど、やっぱり複雑な気持ちとかはあったと思うんですよ。

周りの人に好奇の目で見られたりとか、いろいろ聞かれたりとか。でも、それでも否定しないでいてくれたので、すごい感謝しているんです。でも普通で

すね。兄弟喧嘩とか激しかったし、家族で旅行とかもあんまりしなかったし、わりと、大雑把に育てられたかなって感じはするんですけど。でも、もとから

考え方が女優だったから、女優向きの考え方をしていたから女優なったわけじゃなくて、お芝居をしたからこういう考え方になったんだと思うし。だからこ

そ、自分の記録を残したいと思ったと思うんですよ。で、やっぱり『撮るだけで、自分で見て確認するだけでも良かったんじゃない?』っていう考え方もあ

ると思うんですけど、私は見てくれだけよりは中身があった方がいいって思うし。だけど、中身も外見もっていうのが一番だと思うんですよ。で、やっぱり

一冊の本に製本して、本棚にたてかけておいて、後で十代最後の自分を振り返えられる、そういう形にできたら、そういう形も大事だと思ったし。だから

すごく紙もいいのを使ってもらったし、印刷も奇麗なものに仕上げて頂いたし、表紙とか自分の意見とか入れてもらったりしたし。これが全てだと思わな

いけど、『これが私です』っていう今の自分を中身も形もいいふうにして残したいと思ったので、出版しようと思ったんですけど」

−自分でもじゅうぶん納得のいくものができたなあと。

「うん、私は何かヘアヌードっていうことだけでなくて、『TOTAL NUDITY』っていうふうに思ってるし。別にヌード写真集を出したからって、もうグラビア、ウ

ェルカムですよ、とかそういうわけでもないし、スタンスは今までと変える気持ちは全然無いんですよ。あれは自分にとって特別だったから」

−やっぱり基本的なことは変わらないという・・・・・。

「変わらないですね」

−菅野さんがすごく一生懸命に全力で仕事しているというのは、イメージとかは別にして、大事なことだと思うんですよ。

「そうかな?」

−でも例えばパフィーは今すごくブレイクしてて、それってあの、いい意味での『いい加減さ』が受けているっていうのがあるじゃないですか。ある種、菅

野さんと対照的に感じるんですが。

「あのねぇ、仕事している時はすごくラフな感じだけど、それ意外のところで絶対悩んでいると思う。よく分からないけど。『絶対』とか言っちゃいけないけ

ど、うん。やっぱりある程度、最初は自然にやってても、周りから『狙ってやって下さい』って要求されることってあるじゃないですか。それって辛いと思う。

最初はね、私も要求されてても楽しいし、夢中だし、熱中してたから別に疑問に思わなかったんですよ。でもやっぱり、ふとそういうものがちょっと緩んだ

時、『あれ?』って思ったんですけど。私はなんか、いい加減に歌ってるって思わないし、すごく真面目に歌っていると思うんですよ。いるじゃないですか、

すごく怒っているのに、怒っているふうに見えない人とか、楽しんでいるのに楽しんでいるふうに見えない人とか、そういうのと一緒だと思うんですよ。可

愛いなって思うし、全然ありだと思うし」

−で、仲良しの小嶺麗奈ちゃんとかも、『プレイボーイ』の水着グラビアに出つつ、かたやHではアンダーカバーを着こなす。そういうバランス感覚みたい

なものがあるじゃないですか、そこが逆にキャラクターを作っていると思うんですよ。菅野さんは今までは胸の谷間ダメ、とかあって、逆に今度はヘアヌ

ード写真集をバーンっと出しちゃって。なんか極端から極端に走っちゃうものがありません?

「あるかもしれないですね。だから結果的には、狙っているわけじゃないんですけど、結局友達と喧嘩する時も、それまで『ま、いっか』って言わないでい

たことが積み重なって、ある時バーンって弾けちゃったりすることってあると思うし。周りの人から見れば、すごく飛躍していることかも、と思うんですけど。

自分の中ではすごく一年間かけて、考え方とかも変わっていったし、迷ったし、やめようとしたこともあったし、『悩んだけど、でも』っていうふうになったん

ですけど、そういうのが見えにくいから、そういうふうに飛躍しているって見えるのかもしれないけど。自分の中では、全然飛躍してない」

−まぁ、間で揺れている菅野さんを出す機会が無かったんでしょうけど。

「そうですね。別になんか、悩んでることなんで売ってもしょうがないじゃないですか、やっぱりサービス業だから」

−サービス業

「うん。演じている瞬間は違うけど、運命的にはサービス業だと思ってる。私は役を演じる仕事だから、役がちゃんとしてれば、それでもう始まっているし

終わっているというか。別に私が悩もうが、嫌だと思おうが、そんなのって関係ないって思うんですよ。そう思ってはいたんだけど、でも『辛い!しんどい!』

とか思っていて。それがタイミング良く宮澤さんの力を借りて弾けたんだなっていうか。でもいい形になったなって思うんですけどね。矛盾しているね」

−でも、今回の写真集小嶺さんが『かっこイイじゃない』って言ってましたよね。菅野さんはパフィーの亜美ちゃんとも仲良しで、ローラーブレードチームを

つくってらっしゃいますけど。亜美ちゃんは感想くれました?

「ううん、亜美ちゃん、見てないのかな」

−昔からの友達とかの反応は?

「うーん、あんまりね、4〜5人にしか聞いてないんですよ。なんか私は別に普通にしてるのに、『普通にするよう頑張ってるんだ』っていうふうに見方が変

わってしまった人、ワイドショーの影響とか、分からないけど記事とかで。『本当は嫌だったんじゃないの?』とか『大丈夫?』とか、病人扱いじゃないです

けど。そういうのは、すごく、気づかってくれる気持ちはすごく嬉しかったんですけど。でも、反面、『あれっ?』って気持ちもした。申し訳ないけど、それは

正直なところで。『なんか違うな』とか。だから、そうなんですよね。うん、でも、そう、私も逆にすごく勉強になったけど。そういうすごくね、悩んだりとかして

る人がいても、病人扱いするんじゃなくて、一緒にその場を共有している本人を見てあげなきゃいけないんだなと思いました。『メレンゲの気持ち』ってい

う番組やってるんですけど、国生さゆりさんがゲストで来てくださったんですよ。でね、人生とか転んで、鞄の中身から荷物が全部出てしまっても、そこか

ら何を拾うかだから、転ぶことが悪いことじゃないってことをおっしゃってて、『そういうことなんだ』って思ったし。でもそういう考え方はすごく『あぁ、そうか』

って思った」

−『メレンゲの気持ち』で一緒に仕事をして影響を受けた方っていうのは、他にどなたですか?

「影響を受けた方は、沢山いるけど、順不同、思いついた順に挙げると山瀬まみさんとか、萬田久子さんとか、宝生舞ちゃんとかもすごかったな。たっく

さんいるけど」

−宝生さんも今ちょうと充電期間が終わったそうで。この間インタヴューしたんですけど、彼女もすごい吹っ切れた顔をなさってましたよ。

「舞ちゃんね。舞ちゃんも、飲みながら話そうよって言ってくれて、『あ、嬉しいな』って思って。この間電話したんですけど、ちょうどドラマの収録の合間に

電話したらスタッフに呼ばれちゃって、話ができないまま切っちゃって申し訳ないことしてしまいました」

−最近の菅野さんの凝っているものとか、何かあるんですか?

「凝ってるものはね、ありません!」

−最近、面白い漫画は?

「漫画は、やまだないとさんとか読んだりとか」

−けっこう・・・・・。

「過激だよね。でもなんか、いいなって思う」

−安野モヨコさんも好き?

「あ!面白いよね」

−えーっと、では最後に。菅野さんの最近のラブは!?

「ラブ?ラブねー、ラブ、なんだろう。レオナルド・ディカプリオ!これはハマってる」

−映画とか観なおしたの?

「あの『ROMEO+JULIET』は観れなかったんですけど、『タイタニック』のプロモーションで日本に来ないかなーって。来ないでしょうけど」

−そんなに好きなんだ。

「いいねー、彼は。ディカプリオのTシャツ集めようかと思っちゃうくらい、はまってます」

−彼の作品で好きなのは?

「『ギルバート・グレイプ』もすごいと思うけど、『太陽と月に背いて』もいいと思う。すごく自分をコントロールしてるって感じが見えないお芝居なさるじゃな

いですか、それがすごいと思う。ちゃんと全部狙いでやってるのに、画面では憑依型になっているというか。いいなーって思って」

マネージャー「是非、共演したい、と」

−共演したら、ぜひ対談を(笑)。

「本当?やりたいー、まじで」

マネージャー「その時までに英語・・・・・」

「ペラペラ、うん。一応、念のために広東語とかも習っておきますよ。よく分からないけど。あと、食べ物ではまっているのが見つかりました。ソース焼きそ

ば!インスタント物(笑)」

−でも、写真集の菅野さんのお部屋、台所のところとか充実してましたよねぇ。色々食材が置いてあって・・・・・。

「あれは集めるのが好きなんです!使いません!」

−コレクターなんですね(笑)。

「そう、コレクターなんです。私。好きな物が集まっていくのが楽しいの(笑)。使えばいいのにね」H


グラビアは某団体の圧力で廃刊に追い込まれた「マルコ・ポーロ」の表紙を彷彿させる写真.。今は麻薬中毒者のようなメイクが流行ってるけど、以前はこういうメイクの表紙をよく見かけました。メイクと服が合ってなかもしれないと思っているのは僕だけでしょうか?。普通はニットとかフラノのような質感のある服を合わせるんじゃない?>スタイリストさん
肝心のインタビューですが、補足というか総括という感じでこれといって注目すべきものはありませんでしたが、PUFFYのことを語る件では"考える人(笑)"菅野ならではの鋭い意見に唸らせられました。
ちゃんと女優になりたいって明言してくれたのは嬉しい限り。早く"スーパーサブ"の座から抜け出してほしいものです。


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