月刊ザ・テレビジョン(98.2)たくさんの人との出会いでいまの私になった―

 楽しそうに振る舞いながらも悩みや不安を抱え、もがいている6人の若者たちを描くドラマ「DAYS」〈月・夜9・00フジ系)。彼らの姿はリアルでせつなく、まるで演じている6人のそのままを見ているような気にさせられる。

「私の役の菜々子を含めて、みんなどこかゆがんでて未熟者じやないですか。お互いの役割分担もきちんとしてなくて、たとえば菜々子はまゆみちやん(中谷実紀)といるときは頼ってるのに、いっちゃん(MIKI)といるときは母性的に受けとめてあげてる。そういうあいまいなところがいいなあと思うんですね。このドラマは、そんな6人のかけあいのリズム感ゃチームワークがポイントだと思うので、今回はセリフを覚えるだけにして、現場で監督の演出プランやみんなが考えてきたことを出し合いながら、そのときに感じたものを表現したいなと思っています」

 朝起きるとまず温かいカフェオレを飲み、少しくつろぐ。その時間が最近好きになったと言う。

「なんか、今回のドラマにはラクに取り組めてるんですよ。余分な力が抜けてちょっと突き抜けたというか、心も休も健康的に撮影に向かってるような気がする。いわゆる青春群像劇っていうのは私は初めてなので、若い人同士で刺激しあったり、若さのいびつさとか勢いとかの交感ができたらいいなと思ってて」

 作品のことだけを考えて役に没頭した時期もあれば、そんな自分を「自分に酔ってるだけ」だと思うこともある。いくら視聴率がよくても自分自身の記憶にはあまり残らない作品もあったし、数字は厳しくてもいろいろなことを学べたと思える作品もあった。

「私はなるべくして(女優に)なった人間じやないし、資質としては普通の子なんですけど、いろんなドラマをやらせてもらったり、たくさんの人と出会ったりした経験が、いまの私をつくつてると思うんですね。やればやるほど向いてないと思うこともあるけど、経験が増えた分だけわかってくることもある。いままで私はワケもわからずモヤモヤしてたんですけど、最近はワケもわからずスッキリしてて、それはいいことじやないかなって思うんですよ。イライラしながら毎日を過こすのと、いい気持ちで過ごすのとでは、シワのでき方も違うじやないですか(笑)。どんなに才能があっても、幸せにならないと意味がないですもんね」 試行錯誤を繰り返しながら、この経験が明日の自分をつくるのだからと彼女は懸命に歩いていく。その輝きは、「DAYS」の画面からも伝わってくるはずだ。


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