世にも奇妙な物語"望みの夢"実況中継(1997.10.7)(1992)

ノゾミは、向かいに住むダイスケが好きなのだが、ダイスケの彼女はノゾミの親友であるタエコだったのだ。内気なノゾミは告白することも出来ず、望遠鏡で彼の部屋を覗き、思いの丈を日記にぶつけることしかできなかった。

募る思いを押さえることが出来なくなったノゾミは、睡眠時に"望みの夢"を見ることができるという"夢ディスク"に手を出してしまう。夢ディスクには、現実と夢との区別が付かなくなるという副作用があった・・・。


"願望"というディスクをセットして眠りにつくノゾミ・・・。

夢の中・・・派手な化粧をしたノゾミがダイスケの部屋を訪れる。

ノ「トモコの代わりにきたの」

ノ「トモコと・・・どっちが好き?」

ダ「君の方がかわいいよ、キスもうまいし」

ノ「鏡で練習したの」


トモコに男を紹介してもらうが、ダイスケとトモコがイチャついているのを見て、いたたまれなくなり、トイレで夢ディスクの世界に溺れていく・・・。

男「ノゾミちゃんって、いかにもモテそうだね」

ダ「どけよ、彼女は俺と踊るんだ」

ノ「トモコは。いいの?」

ダ「かまわない」



タ「心配してきてみたら、コレだもの」


彼氏を作ろうとしないノゾミにタエコは

タ「ノゾミって可愛いんだから積極的になればきっといい彼氏が出来ると思うよ」

と、励ます。ノゾミはタエコの気遣いがうれしかった。しかし・・・

その夜、ノゾミは夢の中でタエコと口論をする。

タ「ひとの恋人を取るなんてひどいじゃない。それが友達のすることなの」

ノ「友達は友達でも好きになったんだから仕方ないでしょ。そんなに気になるんだったらダイスケ君に聞いてよ。彼に選んでもらえばいい、どっちが好きか」

ノ「ひとの部屋から見えるところでいちゃつくのが悪いのよ」

タ「あなたなら、いくらでも男の子が手にはいるじゃない。私からダイスケ君取らないで」

ノ「どうせ、夢だからいいじゃない」


タエコと二人で、ダイスケがアルバイトで警備員をしている倉庫に行く。ジャンケンで負けたノゾミは買い出しに行く。

タ「ごめんね、急がなくていいから」

買い出しから戻ったノゾミは、ダイスケとタエコがベッドの上で抱き合っているところを見てショックを受ける。現実から逃れるため、また夢ディスクの世界に溺れてしまう・・・。

ノ「ごめんね、急がなくていいから」

ノ「いいでしょ?夢の中だから」

ノ「好きなの、好きなの、好きなの・・・・・」

タエコが覗いていることを意識しながらダイスケに迫るノゾミ

タ「やめて」

目を覚ましたノゾミ

タ「帰ってたのなら、呼んでくれればいいのに。」

ダ「何の夢見てたの?」

二人の質問に答えられないノゾミ


屋上でピクニックをする三人。

イチャつくタエコとダイスケを見ながら、夢ディスクの世界に入っていくノゾミ。

ノ「好きなの、好きなの、好きなの・・・・・」

タ「いい加減にしてよ。私の前で」

ノ「いいじゃない、どうせ夢なんだから」

タ「夢じゃない!」

タエコがノゾミを突き落としてしまう。


タ「夢ばっかり見てないで行こう」

ノ「怖い夢だった。夢の中でダイスケ君とキスしてて、それを見られて、あなたが怒って私をここから突き落とすの」

タ「変な夢。そんなことあるわけ無いじゃない」

ノ「よかった、夢で。だって私、あなたのことを裏切ってダイスケ君と。あなたとすっと仲良くしてたかったのに」

タ「大丈夫よ。ずっと私たち仲良しよ。さっ、ダイスケ君先行っちゃったよ。」

ノ「ほんとに?ずっと仲良くしてくれる?」

タ「もちろん。友達だもん」

寄り添いながらダイスケの元へ向かう二人・・・


・・・タエコに突き落とされ、アスファルトに横たわるノゾミが夢ディスクの世界から覚める。内気なノゾミは、ノゾミ自身が夢ディスクで作り上げた虚像であり願望だったのだ。

タエコがノゾミのヘッドギアを外す。

ノ「ありがとう。最後にこの夢を見たかったの。私が、こんなにイヤな女でなく、あなたの恋人を取らない夢。私は内気でダイスケ君には声もかけられず、あなたたちが抱き合うのを望遠鏡で見ていた。そんな夢」

タ「ごめんなさい。私こんな事をするつもりじゃなかったの。だけど、だけど、私あなたとダイスケ君が、ああなったことが悔しくて。」

ノ「今まで見てた夢が本当だったら、どんなによかっただろう。私は内気で、あなたとはいつまでも仲のいい友達」

ノ「それが私の、望みの夢・・・」

タ「ノゾミしっかりして、ノゾミ、ノゾミ!」


ヘッドギアをつけて虚構の世界を見るっていうのは、"ストレンジ・デイズ(洋画)"からヒントを得たのかな?

それはともかく、菅野の演技はなかなかのものでした。"妙子"で極めた感のある刹那系のノゾミと、(Fの戯言でも言ったけど)感情豊かな(笑)菅野にと

って、ある意味ハマリ役だと思っている性悪女のどちらもキッチリ演じ分けられていたのでドラマに没頭できました。"フェイス"でりょうが多重人格を演じ

ていたけど、こういう役って演じ分けが出来ないとドラマが台無しになるんだよね。そういう意味では、またまた菅野の株が上がったんじゃないかなと思

います。敢えて難癖をつけるとすれば、性悪ノゾミは、もっとヒステリックに演じても良かったんじゃないかと思ったことと、一回目の泣きの場面で涙を絞

り出そうとしたのがバレバレだったのでちょっと醒めちゃったことですね。あと、(失楽園の時も思ったけど)キスの時に、髪を掻き上げて見えるようにす

る親切さ(計算)が、逆にアダになってるような気がしました。プライベートじゃ、そんなことしないもんね(笑)。


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