日刊スポーツ(99.7.22)『菅野美穂自衛官物語』

映画「守ってあげたい」(来春公開)で土、汗まみれロケ

防衛庁が全面協力「戦車、ヘリ・・・大規模訓練シーンも」

存在の賛否ではなく働く人の現実描く

朝霞駐屯地などで行われている。一人前の自衛官を目指し、厳しい訓練を受けるヒロインを菅野美穂(21)が演じる。女性の奮闘ぶりの描き方は、かつてのヒットドラマ「スチュワーデス物語」の自衛隊版といったところで、菅野は連日ハードな撮影をこなしている自衛官を目指す女性たちの姿を描く映画「守ってあげたい!」(錦織良成監督、来春公開)の撮影が、埼玉県の陸上自衛隊。

菅野ら自衛官役の8人が21日、土まみれになってほふく前進の訓練シーンに挑んだ。50センチの高さに張り巡らせた鉄条網の下をうつ伏せで腕と足を使って前進。炎天下のもと、長そで長ズボンの隊員服姿で汗まみれの必死の撮影となった。

失恋の痛手から自衛隊に入隊した菅野演じるヒロインは「悪魔の班長」と呼ばれる女性教官のもと、おちこぼれの仲間たちとともに一人前の自衛官を目指す。映画では、自衛隊員の日常生活と厳しい訓練をリアルに描く。

女性が仕事のエキスパートを目指し奮闘するストーリーは、堀ちえみが訓練生を演じた1983年(昭58)のTBSドラマ「スチュワーデス物語」を思わせる。堀は、海上訓練や機内の脱出装置から滑降するシーンなど体当たりで演じたが、菅野も、泥の中のほふく前進、射撃訓練、炎天下のマラソンなどハードな撮影を連日こなしている。

菅野は、「大汗かきながらやってます。貧血起こさないように水分補給に気をつけ、ごはんをしっかり食べています。」

今後は、東富士演習場で防衛庁の全面協力のもと戦車部隊、追撃砲、装甲車、ヘリコプターなどが登場する大規模な訓練シーンの撮影にも参加する。自衛隊の在り方を含む日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法案が国会で審議中だが、菅野は「この映画は、女の子の成長物語と思って演じています」。8月上旬にクランクアップする。


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